東京都内など全国では自宅まで配管が敷設されている都市ガスが主流になっている地域があります。
こうした地域ではこれまで、都市ガスを供給する会社が政府によって割り当てられており、実質的にその会社とだけしか契約ができないしくみになっていました。
これは都市ガスが生活に密接した重要なインフラとしての役割を果たしていることにかんがみ、その安定供給のために国が定めた法律にもとづく措置といえます。
しかしこのような地域独占体制が続いてしまっては、ガス料金は固定化されてしまって競争が起こらず、金額の高止まりによる消費者のデメリットは計り知れません。
そこで現在ではガス自由化が行われるようになり、電力会社をはじめとするさまざまな企業がこの分野に新規参入するようになってきています。ガス自由化の影響として真っ先に挙げられるのは、ガス料金のプランの多様化や価格の見直しが進んだことです。
既存の供給会社のほうでも競争に打ち勝つために、より消費者の実態にあわせたリーズナブルなガス料金のプランを開発し、プランの切り替えにより安くするしくみをつくっています。
いっぽうのガスの供給事業に新規参入してきた会社のほうでも、もともと得意分野があることから、それらの分野と組み合わせたセットの料金プランのラインナップで攻勢に出る傾向がみられます。
たとえば電力会社の場合であれば、電気料金とガス料金をセットにすることで割引を適用させ、結果として消費者のメリットが大きくなるようにしています。